埼玉県の地域包括ケア支援体制と本会の取り組み
埼玉県の地域リハビリテーション支援体制整備
埼玉県では、平成25年度から準備を進め、平成26年度より地域包括ケアの実現に向けた支援体制の整備を始めました。県内の保健医療圏にあわせて、医療機関等や関係機関が協力し、リハビリテーション専門職を活用し、地域包括支援センター等が行う市町村事業などに協力できる体制づくりを進めています。
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「埼玉県地域リハ推進協議会 会議資料」より
地域における個別の支援は地域包括ケアセンターが行いますが、技術的・専門的なバックアップを県全体で協力する体制を整えています。
理学療法士は地域包括支援センターに所属するほか埼玉県理学療法士会に人材登録して、ケアサポートセンターを通じて地域の相談窓口や研修会講師としての活躍が見込まれます。
埼玉県の地域包括支援センター
「地域包括支援センター」は、市町村が設置する地域住民の保健医療向上および福祉推進を行う機関であり、介護予防ケアマネジメントや総合相談・支援を行います。保健師、社会福祉士、介護支援専門員等で構成されています。リハビリテーションの支援内容や介護予防の方法については、理学療法士等の専門家の意見が求められます。埼玉県内には平成27年4月1日現在、256カ所の地域包括支援センターと87カ所の在宅介護支援センターが登録されています。
地域リハビリテーション・ケア サポートセンター
地域リハビリテーション・ケア サポートセンター」は、地域で円滑なリハビリテーションサービスが提供されるよう、高齢者や障害者の在宅支援に携わる地域包括支援センター等に対する技術的助言、リハビリテーション専門職の派遣などの支援業務を行います。
リハ支援の中核となる医療機関を地域リハビリテーション・ケア サポートセンターに指定(県内5ヶ所)し、協力医療機関等(県内106ヶ所)と協力し、地域のリハ資源を活用できるようコーディネートを行います。
地域リハビリテーション・ケア サポートセンターは、市町村事業等に協力可能な療法士を把握し、理学療法士等が配置されていない地域包括支援センター等に対して、人材を派遣したり、個別の相談に応じる事になります。
地域リハビリテーション推進協議会
「地域リハビリテーション推進協議会」は、地域包括ケアの推進に向けて、重点的施策を県内各市町村で実施できるための準備を行う会議です。関係機関(県・埼玉県総合リハビリテーションセンター)、リハビリテーション関係職能団体の代表が集まり、県内の地域リハビリテーションに関する方針の決定やサポートセンターの指定を行います。
埼玉県の保健医療圏
「保健医療圏」とは、病院の病床及び診療所の病床の整備を図るべき地域的単位として区分する区域を設定したものです。埼玉県では、一次、二次、三次の保健医療圏が設定されています。
(参照)埼玉県高齢者支援計画
地域包括支援センターをサポートする地域リハビリテーションケアサポートセンターは二次保健医療圏単位での構築が進んでいます。
埼玉県の高齢化の特徴
今後急速に高齢化が進むと見込まれているのは、首都圏をはじめとする都市部です。埼玉県は2025年までに見込まれる高齢者人口の増加が都道府県の中で1位と推計されています。
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国立社会保障・人口問題研究所資料より
①今は高齢化率が全国で2番目に低い
②高齢化のスピードが速い
③高齢者の絶対数が多い
④団塊の世代が多い
⑤単身高齢者や高齢夫婦世帯が急速に増える
⑥地域間格差が大きく、都市部で高齢化が急速に進展する
⑦地域とのつながりの比較的薄い人が多い
「埼玉県高齢者支援計画」より
埼玉県理学療法士会の事業方針
埼玉県理学療法士会では、日本理学療法士協会が示す活動方針である「法人機能の強化」「人財育成」以外に、独自に取り組んできた事業内容や、埼玉県独自の「地域リハビリテーション支援体制整備事業」との整合性や協力体制を念頭に、地域包括ケアに向けた事業に取り組んでいます。
各地域の窓口として、理学療法士が広く活用されやすい体制・仕組みづくりを目指しています。